
日本では高齢化社会が進んでおり、今後もその傾向は続くでしょう。そんな中で深刻な問題となっているのが認知症です。85歳以上の方の1/4は認知症であるとも言われています。もはや他人事ではないのです。
そんな認知症を防ぐための方法として注目されているのがコーヒーです。コーヒーには認知症を防ぐための物質が含まれており、認知症予防効果に期待されています。
1.コーヒーに含まれるトリゴネリンの働き

①トリゴネリンとは
コーヒーには「トリゴネリン」という成分が含まれています。トリゴネリンは富山医科薬科大学の教授により発見され、トリゴネリンを含んだコーヒーを飲むことで認知症の改善に結びつく可能性があると証明されました。
トリゴネリンはコーヒーの生豆に最も多く含まれています。しかし、トリゴネリンは熱に弱く、焙煎されることによってそのほとんどが失われてしまいます。
一般的に200度を超えるとほとんどのトリゴネリンが無くなってしまうので、焙煎具合を200度以下で浅煎りにするか、焙煎前にトリゴネリンをコーヒー生豆から抽出して、焙煎したコーヒー豆に再度還元する必要があります。
②トリゴネリンの効果
トリゴネリンには神経細胞を成長させる作用を持っていると考えられており、コーヒーを飲むことが認知症に効くということが分かっています。
2.コーヒーを飲むときの注意点

トリゴネリンを含むコーヒーを飲むことにより認知症予防効果はありますが、どんな人にでもコーヒーを飲ませていいというわけではありません。
高齢者の場合、年齢を重ねて内臓機能が低下し、カフェインを分解排出する機能が衰えてくるため、カフェインの影響を受けやすくなります。
人間は加齢にともないトイレの回数が増える傾向があります。若いころと同じようにコーヒーを飲んでいると、カフェインの持つ利尿効果によりトイレに行く頻度がさらに増え、夜中にもトイレに行きたくなり不眠に繋がってしまう可能性があります。
3.デカフェやカフェインレスコーヒーがおすすめ
カフェインの利尿作用により頻尿となったり、不眠になってしまわないよう、デカフェやカフェインレスコーヒーを飲むのがおすすめです。カフェインレスコーヒーやデカフェであれば、トリゴネリンの成分は入ったままで、カフェインの成分は取り除かれているので安心してコーヒーを飲むことができます。
4.まとめ
コーヒーには様々な効果があるということが分かってきています。今回紹介した認知症予防もその中の一つです。しかし、コーヒーのカフェインを摂りすぎると悪影響を及ぼす可能性もあります。安心してコーヒーを飲むためにも、心配な方はデカフェやカフェインレスコーヒーを飲むようにしましょう。